ウホウホゴリラッホ

主に勉強したことをまとめていきます。twitter:@pytran3

【国立】最速で学士取得する方法【電通大】

この記事は社会人学生Advent Calendar 2023の6日目として作成されました。

たぶんこれが一番早いと思います

働きながら学士(工学)をたったの2年で取れる*1スクールが都内にありました。実際に学士を取得してみた体験記を書きます。入学したころの記事はこちらです。

入試に関して気になる人は以下の記事が参考になります。面接に関してはおおむね二番目の記事の通りなのですが、編入の場合は口頭試問が追加されるようでした。

電通大夜間(先端工学基礎課程)に編入します|てつ

電通大夜間課程の入試について|manamin

なにものか

都内のスタートアップに勤めているソフトウェアエンジニアです。修士(理学)取得後にSEとして就職しましたが、今年の春に電通大で学士(工学)を取得しました。

授業

大学は時間割を自分で作ることができます。2年で卒業するということは同じ曜日時間の授業は2回しかとれないということなので、興味がある選択科目があったとしても必修科目を取るしかないことに気をつける必要があります。私の時間割は画像の通りで、(特に後期は)7限や土曜授業は必修科目で埋まっており選択の余地はあまりありませんでした(色付きセルは必修)。一方で昼課程の授業は必修には絶対に被らないので興味のある授業を履修することができます。

コロナによりオンライン授業以降したため通学の必要はほとんどありませんでしたが*2、その代わりほぼ全ての授業で毎週課題が課されています。課題は20分ほどで終わるものもありましたが、平均すると1時間前後だったんじゃないかと思います。

時間割
筆者の時間割

単位認定

編入学では元々所属していた大学や高専で取得した単位を編入後の科目の単位に振り分けることができます*3電通大では単位認定はほぼ全ての科目で個別に申請する必要があります。申請では母校のシラバスや単位証明書などが必要になるので事前に準備しておきましょう。

単位認定の作業は非常に時間がかかり心理的負荷も大きかったため*4、作業が必要な三年前期は授業以外にも負荷があることを考慮すれば良かったと思いました。電通大の単位認定は悪名高く、昼課程の学生のブログがたくさんあるので参考にできます。

卒業研究

4年次には卒業研究が選択で履修できます。卒業研究の履修には所定の単位の基準を3年終了時に満たしている必要があります。単位認定の状況によっては1年間で基準を満たすことができないので、卒業研究を希望する場合は出身学科によっては留年が必須になるかもしれません。私は運良くギリギリ基準を満たせそうだったので授業を詰め込んで解決しました。

卒業研究ではCSの研究室に配属されました。隔週のゼミと各自の作業が基本的なスタイルでした。コロナの影響もあり学生部屋に人が集まらず交流が少なかったのが残念でしたが、親切な院生や同期にも恵まれなんとか卒論をしあげることができました。リモートでのゼミ参加や研究が可能だったのは会社員としてはありがたい側面も大きかったです。

研究になかなか時間が取れない時期もありましたが、冬が近づくにつれ尻に火がつき年末年始になんとか卒論に必要な実験ができました。12月~2月は研究がやばすぎて月に100時間も勤務していなかったような気がします。理解ある上司に感謝です。*5

まとめ

たったの2年で学士が取れるのは本当でしたが、それなりに苦労もあるようでした。

編入の記録をまとめるにあたりふと気になったので、卒業までに費やした時間を計算してみたところざっくり2000時間ほどでした。卒業研究を選択せずギリギリで単位を取れば1000時間くらいまでは圧縮できそうな気がします。1000時間で学士(工学)が取得できるというのは魅力に感じる人も多いのではないでしょうか。

*1:学費は合計で70万円弱 https://www.uec.ac.jp/campus/fee/

*2:授業のために通学たぶん50回くらいです

*3:むしろ編入という制度は単位認定が前提にあります

*4:半数程度の科目で教授と個別にやりとりが必要になり非常にめんどくさいです(教授は良い人ばかりです)。却下されることも多く、運が悪いと留年が確定することもあります。

*5:ここまで少ないとは思っていなかったかもしれない。

AtCoderJobs で転職!

2022年6月を持って退職して無職専業学生になりました。世知辛いことに食いぶちが必要で専業学生というわけにもいかないので、いわゆる社会人学生として働きやすい会社を求めて*1 AtCoderJobs を利用しました。 かなり満足のいく転職活動ができたので AtCoderJobs と転職の経緯について記事を書きました。

pytran (@pytran3) / Twitter jobs.atcoder.jp

なにものか

都内某社で機械学習エンジニアとして 3 年ほど働いていました。ML やら Web 系やらデータ分析やら色々やっていたような記憶があります。
AtCoder は青です。AtCoderJobs 上では A ランクというやつです。A ランクは AtCoderJobs のほぼ全ての求人に応募できるくらいなので結構強い方です(自画自賛)。*2

【前回の転職記事】
退職・転職エントリ - ウホウホゴリラッホ

AtCoderJobs

AtCoder のレーティングが求職者ランクに使われる転職サイトです。求人を出している会社の多くは AtCoder ユーザに好意的な会社ばかりなので、AtCoder ユーザが転職するにはおすすめできます。ただ必ずしも高度なアルゴリズムを直接的に生かす業務ばかりではないことには注意したほうが良いかもしれません。しっかり自己分析をした上で求人を見ると

AtCoder 社員に相談してみよう!(中途採用向け)

このボタンから申し込むと社長や副社長が出てきてキャリアの相談に乗ってくれて会社も紹介してくれます。やったね。
今回の転職ではこちらを利用していくつか会社を紹介してもらいました。

転職の時系列

  • 2021年8月: A 社からスカウトが来てた。面白そうだから話だけ聞く。
  • 2022年2月: 転職するか!となり AtCoderJobs の例のボタンから相談をお願いする。
  • 2022年3月: AtCoderJobs に紹介してもらった会社のカジュアル面談や選考をした。並行して A 社の選考を進める。
  • 2022年4月: いくつか内定が出る。どこも満足できるオファーだったのでうれしい。
  • 2022年7月: 前月に退職して現職に転職する。

感想

もともと自分でも転職の希望をまとめていたつもりでしたが、AtCoderJobs の相談で整理されたと感じました。紹介してくれた会社もマッチしそうなところばかりだったので非常に良かったです。

最後に

一般的な競プロ er からは kenkoooo さんの言うアレが観測できなくて悲しい(´・_・`)*3

*1:前職も社会人学生はかなりやりやすかったです

*2:今見たら A ランクで応募できない求人は一つだけだった。

*3:AtCoderJobs は平気で1000万円くらいの案件が流れてくる激ヤバ転職サイト。kenkoooo.hatenablog.com

3 年次後期を振り返る

今更ですが、この春に 3 年次後期が終わったので振り返り。

研究室配属

Ⅰ 類のコンピュータサイエンスの研究室に希望通り配属された。Ⅰ 類特有の配属システムがあるので期日に気をつけて入力しないといけなかった。

授業

法学

優。日本国憲法を中心として法律広く取り扱った。簡単な課題が 2 回くらいと期末のレポートで成績がついた。レポートは1ヶ月くらいの提出期限なので早めにやりたい。

総合コミュニケーション科学

合。毎週いろんな研究分野を紹介され感想のようなものを書く。結構まじめにやっていたが「合」なことに今気づいた。1 限をオンデマンドにしてくれる神。

ベクトルと行列第二

優。知ってることしか授業をやらなかったがなぜか優だった。

応用数学第二

優。フーリエ変換ラプラス変換を半分ずつ時間をかけて学ぶ。わりとわかりやすい気もする。指定の教科書を読みながらビデオを観たら理解が深まりやすかった。

確率統計

優。神の書なる独特な理論で確率を教えるが、一般的な本の基準に従って課題が出ていたように感じる。教科書を読んでいてあまり授業を聴いていなかった。

電気回路学および演習

秀。対面がつらい。応用数学第二で習ったラプラス変換が後半に出てくるのは面白かった。物理学科卒ならやるだけ。計算は大変だった。

基礎電子工学

優。半導体の性質について学ぶ授業、難しかった。固体物性で修論書いてますと顔に書いて中間に挑んだら大変な点数を取ってしまい非常に苦しかった。難しくてみんなできていないので、頑張れば単位は取れるはず。式はきちんと暗記してテストに挑もう。

オペレーションズ・リサーチ基礎

良。面白かったが期末試験の量が自分には耐えられなかった。内容もまあまあ難しかったのもあり、ラストの 30 点問題がほぼ空欄で瀕死だった。数理最適化方面に興味がある人は取るべき。

情報学実験・知能機械工学実験

優、秀。割と面白かった気もするがレポートはやっぱり重い。VR ゴーグルを作った授業と PI 制御の実験をしたのが印象深い。

まとめ

前期は秀が半分くらいだったのから激減した。GPA 的には変わらなかった。
単位認定マラソンとアナログ回路実験が無かったのでかなり余裕があった。*1

*1:期末試験、レポートの時期はやはり厳しくなったが

3 年次前期を振り返る

電気通信大学の先端工学基礎課程に 3 年次編入して半年たったので振り返りを書く。

単位認定

かなり負担が大きく授業 2 つ分くらいの時間と精神力を持っていかれていた気がする。前期の半分くらいのところで終わるので、期末よりも中間のレポートが圧倒的に厳しく感じた。*1

最終的に 53 単位認定された。電気回路とか基礎電子工学とかも認定が可能だったのかもしれないと授業を受けて思った。

授業

応用数学第一

秀。ベクトル解析と複素関数論ちょっとだけやる。明らかに詰め込みすぎなのでまあまあ駆け足の授業になっていた。ただし深い理解は求められないので、感覚的にあってそうと思えて計算ができれば十分良い成績が取れる。課題をきちんとやることが理解の上でも単位取得の上でも重要そう。

技術課程演習第一

優。課題解決のためのフレームワークを学んで実践する。前半座学、後半グループワークだった。グループの発表が最優秀だったらしくまあまあ成績が良かった。

論理回路

秀。論理回路を普通に学んでいく。最後は自動販売機の状態遷移図を書いたりしていた。テストの記述量が多かったのが厳しかった。

プログラミング通論および演習

秀。Java Like な言語の processing という言語で課題のプログラムを作成する。高度なお絵描きが課題。

Academic Presentation in English

良。プレゼンテーションの練習を行う。だいたい毎週スライドを作る課題が出て授業でプレゼンするのが基本的な流れ。課題を理解できなく適当なものを出していたら再提出になりがっつり減点された。

アナログ回路実験

優。一番きつい。毎週実験をやるが時間を若干オーバーした。課題がほぼ毎週あり時間が非常にとられた。実験のレポートは実験が終わらなくても書ける部分があるので、できるだけ先行してレポートを書き始めた方が良かったと思った。

プログラミング実験

良。C 言語で課題のプログラムを作成し、レポートとともに提出する。結果が間違っているとレポートの点数が半分くらいになるので気をつけること。出席ボタンを授業開始の数十分以内に押さないと欠席になり、2 点減点される。*2

科学という文化

良。レポートの書き方もよく指導され勉強になった。レポートを書く際に調べ物をする時間が相当長くなるので落単ではない。なんで優じゃなかったんだろう。

言語処理系論

優。1 類の授業。言語処理系の初歩を学び、最終的に簡単な言語を一つ実装する。*3

グラフとネットワーク

秀。1 類の授業。今期のベストオブ授業。毎週課題を提出することができ、数学の証明の添削をしてもらえる。リアルタイム授業に参加するとグループワーク形式で演習ができる。*4

フローが解けるようになった。学業は競プロの役に立つ。

グラフとネットワーク (2021年度前学期)

シミュレーション理工学

良。1 類の授業。C 言語で数値計算のプログラムを作成し、レポートとともに提出する必要がある。期末レポートでは数学の証明なんかもあった気がする。

まとめ

なんか良が多くないか?半分くらい秀だったような気がするのに GPA はあんまり高くないのに違和感がある。
今期は 19 単位取れたので良かった。後期も同じくらいだけど、単位認定マラソンがないのでそんなにキツくないかも、、、*5

*1:前期の前半だけに設定されていたアナログ回路実験も厳しかったのもありそう

*2:された

*3:教授っちが、学生はコードを書く必要はない

*4:出ていないのでよくわからない

*5:対面授業が主体になるらしいですが、、、

「心理的安全性のつくりかた」感想

心理的安全性のつくりかた

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メモ

  • 考え方を直接変えることはできない。行動を変えていく。
  • 大切なことを明確化と言語化が大事。
  • 「正負のフィードバック × 増減」の4パターンがあり、行動の強化弱化が起こる

20代最後の年に電通大夜間主に編入してみた

プログラミングスクール*1電気通信大学の先端工学基礎課程(夜間)に編入できることになったので、簡単に流れをまとめてみました。
誰かの参考になれば幸いです。

なぜ編入したのか

元々は修士まで理論物理をやっていたのですが、なぜかプログラミングに目覚めてしまい新卒で中小SIerに入社しました。その後、現職に転職してからはR&D部門でPoC祭り*2に参加しています。
もう少しプログラマとしての体力を着けたいと言うところもあるにはあるのですが、むしろ「もっと勉強して〜」だけで大学に編入するような気がします。
わざわざ大学に入るのはこんな理由です。

  • 実験や実習などは独学しにくい
  • 自分が認知していない分野も半強制的に学べる
  • 友達できそう
  • 教授と話す機会は貴重

受験の流れ

編入試験を受けるためには母校(大学、高専、短大など)から調査書 with 成績証明書を発行してもらう必要があります。ここは母校次第なのですが、最短でも一週間とかなので早めにやらないといけません。あとは期間が5日しかない提出受付期間に電通大に届くように郵便すればOKです。

受験は二日構成で、初日に筆記試験、二日目が面接試験になっています。*3
筆記試験はどっかの試験問題と共通らしく大学入試の範囲から出ているようでした。

3週間後くらいにオンラインで合否が発表されます。合格発表の二日後くらいに入学書類が届くので、入学料と授業料半期分ととも処理すると編入が受け付けられます。*4

受験勉強

最初は編入試験と言えば院試レベルだと思っていたので、微積線形代数ばっかり勉強していました。過去問を入手すると大学入試レベルだということがわかったので、普通に大学入試用の物理と化学のテキストを買って勉強しました。数学は過去問解いて満足しました。

過去問に関してですが、夜課程の方は編入試験の過去問がネットで公開されていなく生協で購入する必要があります。 ちなみに、昼課程の編入試験は普通に学部レベルの問題が出るので、ネットで公開されていますがあまり参考にならないです。

入ったらどうするか

長期履修制度を利用すると2年分の学費で4年間居座れるようになるので、のんびり他学科(昼課程)の単位を取ったりしようかなと考えてます。
昼課程で面白い授業あったら教えてください。いわゆるCSっぽいものに興味がありがちです。

まとめ

ただ勉強したいから大学に勉強しに行きます。

*1:この学科、そこまでプログラミングしないです

*2:主に機械学習を利用した新しいソリューションの検証。主に開発担当です。

*3:面接が開始するまで口頭試問があることを知らなかったのでかなり驚きました。普通に答えられたので事なきを得ました。

*4:油断したら在職証明書の発行がギリギリになったので、長期履修制度を利用する人は急いだ方が良いです。